レシピ

【材料】(2人分)

    • 808ファクトリーレタス(シルクレタス) 1~2袋
    • 牛タン(厚切り)300g
    • サラダ油  小さじ1/2
    • 塩 少々
    • A(長ネギ 1/2本 胡麻油 大さじ2 塩 小さじ1/2 黒胡椒 多めにふる)

【作り方】

    1. 長ネギは斜め切りにして水にさらして水気をよく切っておく。ボウルにAと一緒に入れて和える。
    2. 牛タンは焼く30分前に常温におく。切り目がついてない牛タンは1cm間隔で切り目を入れる。フライパンにサラダ油をひき強火にする。牛タンは重ならないように並べて、強火で1分、裏返して反ったお肉をフタやバットなどで押しながら30秒、火を止めて余熱で1分、さらに裏返して30秒置いてかるく塩をふる。
    3. お皿にレタスと牛タンを盛りつけ、ネギ塩ダレをこんもりとのせる。ネギ塩牛タンにレタスを巻いて食べる。

牛たんの日」

9月10日は「牛たんの日」。「ぎゅう(9)・たん(ten=10)」と読む語呂合わせから制定されたそうです。仙台の食文化であり名物として名高い牛タン焼きを、より多くの人に美味しく、楽しく、安全に食べてもらうことが目的です。

仙台の牛タン焼きは、焼肉屋にある薄切りの牛タンとは違い、厚切りで柔らかいのが特徴です。舌の付け根側の最も脂がのっていて柔らかい肉質のタン元や、コリっとした食感でさっぱりとしているタン中が使われているそうです。牛タン焼きの誕生は1948年(昭和23年)、仙台市の焼きとり屋店主の佐野啓四郎氏によるものでした。戦後は鶏肉だけでなく、豚肉や牛肉などさまざまな素材を焼いて出していました。そんな中、牛肉の部位の中でも比較的に安く手に入る牛タンに注目したそうです。しかし日本では牛タンを食べる習慣がなく、煮込むことで柔らかくなりコクがでる牛タンを、焼いて食べさせるにはいろんな知恵と工夫が必要でした。仙台市内ではほとんど入手できなかった牛タンを、宮城県や山形県の畜場から入手し、牛タンの厚さ、包丁の入れ方、肉の熟成、塩加減、炭火の火力、焼き加減などあらゆる角度から研究を重ね、仙台牛タン焼きが誕生しました。この炭火による牛タン焼きは、食糧難で出回っていた麦飯、当時使われていなかった牛の尻尾を使ったテールスープ、野菜の浅漬けを「牛タン焼き定食」として出されました。高度成長期に転勤族や単身赴任者の中で評判になり、他のお店にはないものを提供したいという思いから誕生した牛タン焼きが、今では仙台市内に専門店が並び、ご当地グルメとして全国で知られるようになりました。

牛タン焼き定食のようにごはんを主とする「定食」のはじまりは江戸時代だといわれています。参勤交代の武士のために定食屋が生まれ、麦飯や白飯などの「ご飯」、味噌汁などの「汁物」、香の物といわれる「漬物」、これに肉や魚、野菜などによる「おかず」を基本とする定食は、自然と栄養バランスを整えることができる日本の伝統的なスタイルとなり、現代の働く人々にも愛されています。

厚切り牛タンは冷凍技術の進化により、家庭でも楽しめるようになりました。いろんな牛タンをスーパーやネットで購入して焼いてみると、焼き方にちょっとした工夫が必要だと思いました。今回は炭焼きではなくフライパンを使い、重ならないように牛タンを並べ、強火で1分、裏返して反ったお肉をフタやバットなどで押しながら30秒、火を止めて余熱で1分、さらに裏返して30秒がちょうどいい焼き具合だと思います。これにネギ塩ダレをのせてレタスに包んで食べます。元祖牛タン焼きは食材の良さを最大限に引き出すのは塩であるとし、牛タン焼きもテールスープも塩の味付けにこだわっていたそうです。塩は塩でも今回はネギ塩ダレを後のせします。下味をつけずに焼くので強火でも焦げる心配がありません。ちなみにこのネギ塩ダレはお湯を注げばスープにもなるので、本場牛タン焼き定食のテールスープには及びませんが、白米に押し麦などの足して炊いた麦ごはん、野菜を塩で揉んだ浅漬けがあれば簡単に定食が完成します。その美味しさは牛タンだけに舌鼓を打つことでしょう。(笑)

■レシピ協力:きたじまよりこ(スタイリング・撮影・コラム)