レシピ

【材料】(2人分)

    • 808ファクトリーレタス(フリルレタス)  4枚
    • 鯖  2切
    • A(しょうゆ 大さじ1 酒 大さじ1 生姜汁 1片分 七味唐辛子 小さじ1/4)
    • 片栗粉  適量
    • レモン  1/4個
    • マヨネーズ  適量
    • 揚げ油  適量
    • 七味唐辛子 適量

【作り方】

    1. ボウルにAを入れて混ぜ合わせる。一口大に切った鯖を加え絡め、15分ほど漬ける。軽く汁気をふき、片栗粉をまぶす。
    2. フライパンに揚げ油を2cmの深さまで注ぎ、160℃に熱して(1)を揚げる。泡が小さくなったら取り出し、バットに移して油を切る。
    3. レタスはちぎって竜田揚げと一緒に器に盛りつける。添えたレモン、マヨネーズ、七味を竜田揚げとレタスにかけ、サラダのように一緒に食べる。

七味の日

7月3日は「七味の日」。「しち(7)・み(3)」(七味)と読む語呂合わせから制定されたそうです。七味唐辛子はうどんやそばなどの和食に合う日本を代表するスパイスです。七味唐辛子の名前は、唐辛子を主原料とし、七種類の香辛料を混ぜて作られることに由来します。山椒、麻の実、胡麻、青海苔、紫蘇、陳皮、芥子の実、生姜、菜種などが使用されています。世界にもこのようにスパイスを調合したものがあります。

有名なものにインドのガラムマサラがあります。ガラムマサラはシナモン、クローブ、ナツメグの3種類の基本のスパイスに加え、カルダモン、胡椒、クミン、ベイリーフなど、粉にしたものを使います。エジプトのデュカは、ナッツ、胡麻、コリアンダー、クミン、塩、胡椒が使われ、砕いたスパイスとナッツをカレーやサラダなどにかけます。中国の五香粉はスターアニス、シナモン、クローブ、ウイキョウ、花椒(5種類のスパイスの組み合わせは厳密に決まっているわけではない)が使われ、中華料理の煮込み料理やスープには欠かせないスパイスです。そしてフランスのキャトルエピスはナツメグ、クローブ、生姜、胡椒の4種類のスパイスが使われ、こしょうの代わりに使うだけで、料理上手と思われる魔法のようなスパイスだと思います。

大航海時代にスパイスの利権を巡るスパイス戦争が勃発した歴史と、現在の深刻な社会情勢が重なってしまいます。ロシアはウクライナへ圧倒的な武力で侵攻しました。両国の間には複雑な歴史の因果関係があり、単純な話ではないけれど、心が痛むニュースが未だ続いています。独裁的なスパイスは調和された味には仕上がらない。日本も同じ。国を良くしようとする目標は一緒だったはずなのに、重箱の隅をつつき合う政治家の「ああでもない、こうでもない」とくだらない議論が紛糾し収拾がつかなくなっている。鍋(国)の中の食材(世の中)を良く仕上げるためにスパイス(議員)を使う。せっかく高いお金を使っているのに、どれも主張し過ぎてまとまらない味になっていく。それをお玉(メディア)でかき回し、時間だけが過ぎて煮詰まっていく。いろんな情報を鵜呑みにして、咀嚼しないで食べてみたら「不味い!」とみんなで大騒ぎをしている世の中のなんと馬鹿げたことでしょう。もっと七味唐辛子のように日本らしい豊かな香りを活かし、ときに臭みを消して補う役割ができたらと思う。これは日本や世界だけの話ではなく、わたしたちの身近な学校や会社、ママ友、SNSにも同じことがいえると思う。私たちは世界に一つだけのスパイスでもあり、喧嘩するためのものではないのだから。

さて、今回はそんな七味唐辛子を使って鯖の臭みを消し、ピリリと辛味を効かせ、鼻に抜ける香りが独特な竜田揚げを紹介しようと思います。漬けダレに七味唐辛子を使いますが、さらにピリリとさせる追い七味唐辛子とレタス、マヨネーズを一緒に絡めて食べることをおすすめします。飲みの席の隣から聞こえてきそうな内容を今回はコラムにしてみました。飲兵衛さんにはつまみになるぴりっとした料理と小話でした。(笑)

■レシピ協力:きたじまよりこ(スタイリング・撮影・コラム)