鮭の日

11月11日は「鮭の日」。「鮭」という漢字のつくりの部分の「圭」が「十・一・十・一」と書くことから制定されたそうです。鮭の良さをもっと皆さんに知っていただき、おいしく楽しんでいただこうというのが趣旨のようです。

誰もが感じている疑問ではないかもしれないけれど、私には鮭に対する疑問がとても多くあります。まず鮭は「シャケ」なのか「サケ」なのかという話。これは読み方としては両方とも正解らしいのですが、なぜ呼び方がふたつあるのかというと、江戸弁の訛りや、アイヌ語に由来するなどといったさまざまな説があります。個人的にはどちらも正解ならば好きなように使えばいいという結論です。ちなみにわたしの名前は順子とかいてヨリコと読みますが、ジュンコと呼ぶ人もいて、訂正してもきりがないので、いまはどちらも正解で、ミドルネームぐらいに思っています。(笑)

次に売り場で見かける「生鮭」と「塩鮭」の違いについてですが、旬の時期に多く出回り、なにも添加されていないものが「生鮭」、そして塩水につけて保存性を高めたものが「塩鮭」です。お歳暮や正月の贈答品で使われる新巻鮭も塩鮭です。これらの鮭の状態から生鮭は鮮魚コーナー、塩鮭は干物コーナーに置かれているというわけで、決して朝食用と夕食用でコーナーがわけられているわけではありません。(笑)鮮魚コーナーにはサーモンと呼ばれるものもあります。キング、アトランティック・トラウトが有名で、刺身や寿司にして食べられているように、サーモンは生で食べられます。これは天然と養殖のエサの違いによるものです。

さらに悩ますのは白鮭・銀鮭・紅鮭・秋鮭・時鮭といった名前の多さです。鮭は川で生まれて外洋を旅しながら成長し、春から初夏にかけて沿岸に寄ってくる若い白鮭が時鮭、秋にかけた産卵の時期に日本近海で獲れる白鮭が秋鮭です。つまり秋鮭と時鮭は白鮭のことです。

さて、塩鮭は塩分があるので焼いて食べるというのが定番ですが、塩抜きをして生鮭の代わりに使うこともできます。塩抜きは塩水につけたり、みりんにつけてほんのり甘くしたりしますが、酒粕で漬けて塩抜きをするのがオススメです。正月料理に作る方もいらっしゃると思いますが、酒粕で漬けることで風味良く仕上がります。そんな酒粕に漬けた塩鮭をサーモンの代わりにパテを作ってみたところ、とても美味しくできたので、今回はシルクレタスとレモンを添えたクロスティーニを紹介したいと思います。レシピは子どもが好きなクリームチーズを混ぜていますが、大人だけで食べるなら、クリームチーズの代わりに酒粕を使うのもおすすめです。紅葉が美しい季節に、サーモンピンクなパテをバケットにのせて、華やかな食卓にしてみてはいかがでしょうか。これからのパーティーシーズンにちょっと楽しい一品になると思います。

レシピ

【材料】2~3人分

    • クリームチーズ 100g
    • 塩鮭(甘塩)  1切
    • 808ファクトリーレタス(シルクレタス) 2枚
    • A(酒粕 大さじ1 みりん 大さじ1/2)
    • 酒 大さじ1/2
    • バケット  適量
    • レモン汁 小さじ1
    • レモン 適量
    • こしょう  少々
    • ブラックペッパー  適宜

【作り方】

    1. 耐熱容器にAを入れ、電子レンジ600Wで20秒加熱し、取り出したらよく混ぜ、冷めたら塩鮭に塗ってラップに包み、冷蔵庫で一晩寝かせる。
    2. 耐熱皿に(1)をのせてラップを広げ、酒をふりラップをとじる。電子レンジ600Wで2分加熱する。粗熱が取れたら皮と骨を取って身をほぐす。
    3. ボウルにクリームチーズを入れてゴムベラで練り、ほぐし身、レモン汁、こしょうを加え混ぜる。
    4. バケットは5mm幅に切って軽くトースターで焼き、レタス、(3)のパテ、レモンをのせ、ブラックペッパーをふる。

■レシピ協力:きたじまよりこ(スタイリング・撮影・コラム)