和服の日

10月29日は「和服の日」。「いい(1)・わ(0)・ふ(2)・く(9)」と読む語呂合わせから制定されたそうです。「洋服」と対を成す意味合いの「和服」は日本固有の衣装の呼び名に最もふさわしいとの思いから、その呼称を広めることで「和服」の素晴らしさをさらに多くの人に知ってもらうことが目的です。ちなみに11月15日は着物の日です。
そんな「和服の日」、「着物の日」がありながら、多くの日本人は民族衣装である和服(着物)を自分で着ることができません。洋服を着るのが日常となった今、無理もありませんが、外国の方が聞いたらきっと驚くことでしょう。

私はというとそれなりに和服が似合う年頃と体型になったこともあり、二年程前から教室に通い、着付けを学んでいます。最近はどうにか着られるようになりましたが、色柄、素材、格の違いなどによる組み合せが難しく、まだまだ勉強が必要です。春に東京国立博物館で「宝鳥獣戯画のすべて」を観覧したとき、鳥獣戯画柄の帯をコーディネートされていた和服の女性がとても印象的でした。そんな粋なお洒落を楽しめる大人になりたいと改めて感じております。

話は変わりますが、レタスと和服には意外に共通点があります。それは幾重にも重なる美しさ、隠れた白い芯、上品なグラデーション、そして帯や袋を利用するところです。(笑)

帯とは青紫のテープのことで、葉をまとめるために胴に巻きます。帯に青紫を使うのは、補色(緑の反対色)を使うことで、互いに色を引き立てる効果があるからです。

そして808ファクトリーのレタスは袋が使われ、4種類のレタスは縞柄の袋で色分けがされています。形状は違いますが和服も同じように外気や害虫から守るためにタトウ紙という袋に包まれています。

ちなみに「縞」は南蛮貿易を通じて、舶来した布を「島もの 」と呼んでいたことに由来します。縞文様といえば子持ち縞のあしらいが特徴の織物に博多織があり、西陣織と並び有名です。中でも上質な「献上博多」の文様にはいろいろな願いが込められています。仏具として使用する「独鈷」と「華皿」の柄には魔除けや厄除け、線の太さにより親子の愛情を表す「孝行縞」と「親子縞」には家内繁盛の願いが込められています。
このように文様によって意味や願いが込められている和服ですが、虫干しのシーズンは10月下旬から11月頃が良いとされているので、天気が良い日に干して、観察してみるのも良いかもしれません。

さて、今回は和服の日に因んで、博多織の文様のように複数の食材を重ねて蒸しあげた「博多蒸し」を紹介します。蒸しても葉色が鮮やかなロメインレタスを使っていますが、お好きなレタスを使っていただければと思います。線の太さに若干差があってもご愛敬ということで。

レシピ

【材料】

    • 流し缶14cm×11cm×4.5cm
    • 808ファクトリーレタス(ロメインレタス)1袋
    • 豚挽肉 250g
    • 卵  1個
    • 塩  小さじ1/2
    • こしょう  少々
    • 片栗粉 大さじ2
    • A(水 100ml 白だし 大さじ1 片栗粉 小さじ1/2)
    • おろし生姜  適量

【作り方】

    1. ボウルに豚挽肉、卵、塩、こしょう、片栗粉を入れてよく混ぜ合わせる。
    2. 流し缶または耐熱皿にレタスを敷き、(1)、レタス、(1)、レタスの順にのせ、上から押さえて平らにし、アルミホイルでフタをして、蒸し器に入れて15~20分強火で蒸す。
    3. 小鍋にAを入れて混ぜ、沸かしてひと煮立ちさせ、とろみがでたら火を止める。
    4. (2)は長方形に切って断面がみえるよう器に盛り、(3)をかけ、おろし生姜を添える。

■レシピ協力:きたじまよりこ(スタイリング・撮影・コラム)