小松菜の日

5月27日は「小松菜の日」。「コ(5)・マツ(2)・ナ(7)」と読む語呂合わせから制定されたそうです。

小松菜はもともと冬の野菜で、冬に出回る菜類の総称として冬菜と呼ばれていていました。江戸時代、暴れん坊将軍でお馴染みの徳川吉宗が鷹狩に出掛け、香取神社(旧西小松川村)に立ち寄った際、神主が餅を入れた澄まし汁に冬菜を入れて昼食に出したところ、吉宗が大変気に入り、小松川の地名にちなんで「小松菜」と命名したといわれています。いまでは関東風のお雑煮には欠かせない食材です。私の母は関東出身なので、お雑煮には小松菜が入っていましたが、母が亡くなっても実家で食べるお雑煮には小松菜が入っていて、兄がその味を引き継いでいます。私は食に関わる仕事をしているにも関わらず、実家ではもっぱら食べる担当です。

小松菜は野菜の中でもカルシウムやビタミンCが豊富に含まれ、様々な効果が期待できるため積極的に摂りたい野菜のひとつですが、水族館にいる魚たちも手頃な価格で年中手に入る小松菜をエサとして食べています。小松菜ゆかりの江戸川区にある葛西臨海水族園の魚たちだけでなく、豊島区にあるサンシャイン水族館のカメも小松菜を食べているそうです。そして名古屋港水族館の魚たちは小松菜だけでなくレタスも食べているそうです。

そんな小松菜を食べるカメや魚たちを水族館に観に行けず、動画で癒されたゴールデンウィークも過ぎ、ふだんの生活に戻ったある日、姪夫婦がわが家に遊びに来ました。ふとした会話から小松菜を食べるカメの動画の話をしたところ、姪とその夫が妙に納得した顔をしていました。聞けば一年程前に道端を歩くカメを見つけたそうで、そのカメに小松菜を与えたところ、ムシャムシャと食べたことから小松君と名付け、家族として迎えたそうです。しかしある日、小松君は柵を乗り越えて、彼らを甲羅に乗せ忘れたのか?ひとり竜宮城へと帰っていったという。海ガメではないから、どこへ帰ったのかわからないけど。(笑)そして浦島太郎は…いえ、彼は小松君のことが忘れられず、小さなカメにポチとタマと名付け、乙姫を嫁にもらい、新婚生活を楽しく過ごしているという。いつか玉手箱を祝いに送ってあげようと思っている。

さて将軍が地名にちなんで小松菜と名付け、姪たちはポチやタマと名付けたというので、私も冷蔵庫にいるアサリを浅利君と呼んでいます。
そんな浅利君は今夜、葉物野菜と一緒にスープスパゲティーになります。なんというか…アサリには名前をつけない方がいいですね。すこぶる寂しさがあります。

レシピ

【材料】2人分

  • スパゲティー  160g
  • 808ファクトリーレタス(シルクレタス) 8枚
  • 小松菜  1束
  • アサリ(砂抜きしたもの)  200g
  • ニンニク 1片
  • 塩・こしょう
  • 赤唐辛子 1本
  • オリーブオイル 大さじ2
  • 酒 大さじ3
  • 白だし 大さじ3

【作り方】

  1. ニンニクはみじん切り、赤唐辛子は小口切り、小松菜は4cm幅に切り、レタスはちぎる。アサリは擦り洗いしザルにあげておく。
  2. 鍋にオリーブオイル、ニンニク、赤唐辛子を入れて中火で熱し、アサリを加え炒める。酒を入れてフタをし、強火にして蒸し煮にする。アサリの口が開いたらボウルに取り出す。
  3. 鍋に白だしと水(500ml)を加え沸かし、スパゲティーを入れて袋の表示通り茹でる。
  4. 茹であがる直前にアサリを戻し入れ、レタス、小松菜を加え火が通ったら火を止め、器に盛る。

■レシピ協力:きたじまよりこ(スタイリング・撮影・コラム)