小鉢の日

5月8日は「小鉢の日」。「コ(5)・ハチ(8)」と読む語呂合わせから制定されました。
いつもの食卓に小鉢のおかずをプラスすることにより、和食の理想である「一汁三菜」の食事で栄養のバランスをとってもらうことが目的です。一汁三菜とは和食の基本で、日本人の主食(ご飯)、一汁(汁物)、そして三菜(3つのおかず)を組み合わせた献立のことをいいます。
この三菜は主菜1品、副菜2品で構成し、主菜は肉、魚、卵、大豆製品など動物性・植物性のたんぱく質、副菜は野菜、豆、芋、海藻、きのこなどでバランスよく組み合わせることが大切です。その副菜を盛りつけるのに使われるのが小鉢です。

もともと和え物や酢の物など少量の料理を盛るための「小鉢」、湯飲み茶碗の「湯呑」、お酒を飲むための「猪口」はすべて「猪口」と呼ばれていました。
その猪口も江戸末期に庶民の間でお蕎麦屋さんが流行り、蕎麦つゆ用の蕎麦猪口と酒用の猪口が区別されるようになりました。そして現在の蕎麦猪口は蕎麦つゆを入れるための役割より、小さなおかずを入れる小鉢として、コーヒーなどの飲み物を入れる湯呑として、さらにプリンやアイスなどを入れるデザート用の器として使われ、多様な役割を果たしています。

世界にもたくさんの小鉢が存在します。卵料理やスフレに使われるココットや、タパスやアヒージョなどに使われるカスエラ、殻のついた海老や蟹料理についてくるフィンガーボールなどがあります。フィンガーボールというとアメリカで上海蟹を食べた時のことを思い出します。とてもお洒落なチャイニーズ柄の小鉢に入ったスープにはライムが浮かんでいました。私たちはズズズ~と飲み、まったくの無味であったことでフィンガーボールと気づき、家族で大爆笑したことがありました。ガラスやステンレスであればわかったのですが、小鉢というだけで食べるものだと思ってしまったのです。気取りながら小鉢をズズズと吸う家族の姿は実にカオスです。お気をつけください。(笑)

さて、小鉢は少量の料理を盛る食器を意味するだけでなく、それらに盛った料理名のことも小鉢といいますので、今回は「焼き海苔とレタスの小鉢」というネーミングにしてみました。
美味しいので小鉢というより大鉢で食べたい料理ですが、今日は小鉢の日なので、小鉢として多様に使える蕎麦猪口に盛りつけています。

ゴールデンウィークもあと少しで終わりです。休みが続くと外食や出来合いの物になり食生活が乱れます。いつもの生活に戻るために調理時間1分の簡単でほっと一息できる副菜として作っていただければと思います。

レシピ

【材料】2人分

  • 808ファクトリーレタス(フリルレタス) 1/2袋
  • 海苔  1枚
  • 炒りごま 小さじ1
  • A(ごま油 大さじ1 おろしにんんく 小さじ1 しょうゆ 小さじ1/2 塩 少々)

【作り方】

  1. ボウルにAを入れて混ぜる。
  2. 海苔は表を重ねてふたつに折り遠火で炙る。
  3. レタスと海苔はちぎって(1)に入れサッと和え、ごまをふる。

■レシピ協力:きたじまよりこ(スタイリング・撮影・コラム)