レシピ
【材料】(1人分)
- きしめん(乾麺) 100g
- 808ファクトリーレタス(フリルレタス) 1/2袋
- 卵 1個
- A(水 300ml 白だし 30ml 塩 少々)
- 片栗粉 大さじ1
- 三つ葉 適宜
- おろし生姜 適宜
【作り方】
- 大きめのお鍋にたっぷりのお湯を沸騰させ、パッケージの表示通りにきしめんを茹でる。茹でたら水でぬめりが取れるまで洗って水気を切る。
- 鍋にAを入れて中火にかけ、ひと煮立ちさせたら水溶き片栗粉を入れてとろみをつける。溶き卵を加え混ぜ、卵が少し固まったらレタスを入れてひと回しして火を止める。
- (1)のきしめんをお湯で温めてどんぶりに入れ、(2)をかける。三つ葉とおろし生姜を添え、お好みで加える。
きしめんの日
10月26日は「きしめんの日」。きしめんのつるっとしたのが特徴である「つ(2)・る(6)」に置き換えた26日と、食欲の秋である10月を組み合わせ制定されたそうです。
きしめんの語源は諸説ありますが、原型は麺ではなく練った小麦粉を平たく伸ばして竹筒で丸く抜いた碁石麺(碁子麺)が転じてきしめんとなったという説、藩主への献上品として出していた雉肉を具材として使用した雉麺がきしめんとなったという説、紀州の人から伝わった紀州麺がきしめんとなったという説等があります。よく思うのですが、文章では残っていないけれど、言い伝えられたものには古人が聞いたらびっくりする内容もきっとあるのでしょうね。(笑)
きしめんといえば名古屋を代表する食べ物ですが、きしめんのように平たい麺のうどんのことを「ひもかわうどん」と言います。わたしは最近まで「ひもかわうどん」と「きしめん」は別のものだと思っていました。というのも桐生のひもかわうどんがラザニアのような形状で、群馬のご当地グルメとしてインパクトがあり過ぎだったからです。平たい麺の形状からすると山梨のほうとうや群馬のおきりこみ(おっきりこみ)もひもかわうどんに含まれるそうです。日本の三大うどんには香川県の讃岐うどん、秋田県の稲庭うどん、そして残りのひとつが未だはっきりしていないのには粉・塩・水のシンプルな材料だけに、コシの強さやのど越しの良さだけでは決められないのが理由かもしれません。
きしめんはほうれん草、ネギ、油揚げ、かつおぶし、そして名古屋独特の赤いカマボコが基本的な具材です。モチモチとした食感が特徴でソースが絡みやすいことから、形状が似ているパスタの平打ち麺フィットチーネの代わりにきしめんが使われているのをSNSでよく見かけます。カルボナーラやボロネーゼといったイタリアンだけでなく、担々麺や炸??といった中華にも馴染んでしまうのは、きしめんの魅力のひとつだといえます。
何色にも染まることができるきしめんですが、今回はイタリアンでも中華でもなく、これからの季節にぴったりの卵とレタスを使ったあんかけきしめんを紹介したいと思います。汁をあんかけにするとうどんの上に蓋をした状態になり、汁の表面が外気に触れないので、保温効果が高まり冷めにくくなります。そして温かいものを食べると体温も上がるので、しばらくポカポカが続きます。さらにポカポカしたい人はお好みでおろし生姜を加えてください。
私の実家ではうどんを食べるときに、「早く食べないとぶどけてしまうよ」と、若干急かされ気味て食べていました。これは母の故郷の「ふやける」を意味する方言で、今でもうどんを食べるときにこの言葉を思い出し、懐かしい気持ちになります。今思えばこれは美味しいうちに早く食べなさいという愛情ある言葉だったのかもしれません。
方言の物腰の柔らかさと、きしめんのコシの柔らかさはとちょっと似ている気がします。ぶどける前に食べていただければと思います。(笑)
■レシピ協力:きたじまよりこ(スタイリング・撮影・コラム)