道具の日
10月9日は道具の日。調理用具を中心とした専門店が並ぶかっぱ橋道具街が制定し、日頃使用している道具に感謝する日です。
今回は家庭料理の定番「生姜焼き」に欠かせない道具について考えてみようと思います。
本来、野菜の皮を剥く道具といえば包丁やピーラーですが、みなさんは生姜の皮はどんな道具を使っていますか?
私はスプーンを使っています。薄く剥くことができ、くびれた部分にも届くので、どんな道具より重宝しています。元々スプーンは掬う、混ぜる、量る、潰すといった役割があるので、凡庸にみえて実は「汎用の道具」と言ってよいでしょう。
次に生姜焼きにかかせない道具といえばおろし器ですが、最近はいろんな材質のものがあります。
我が家には使いやすさを求め、いろいろなおろし器がありますが、今はタレ皿としてそのまま食卓で活用することができる小さな赤土のおろし皿を使っています。生姜をなめらかにおろす為には道具だけでなくおろし方も大事になります。生姜の繊維の方向が垂直になるようにおろし器に当て、繊維を断ち切るようにおろすのがポイントになります。しかし、突起に繊維がつきやすいので、私はアルミホイルを突起の上にのせ、その上からおろします。すると目詰まりせずにおろすことができ、アルミホイルを持ち上げれば無駄なくおろし生姜を使うことができます。鎌倉時代からおろし皿やすり鉢などの日用雑器が作られ、人々は野菜をおろして料理に使うようになりました。この道具の登場のおかげで、生姜焼きが食べられると思うと「無二の道具」に感謝せずにはいられません。
その他に今回は玉ねぎを切る道具としてスライサーを使いました。薄切りなので火が通りやすく、まな板と包丁を使わないので洗う手間も減り、時短になって便利です。そして、今回はレタスに絡めて食べる生姜焼きなので、薄切りにすることで具材同士を絡みやすくしています。
さて、テーマとして問題なのは主役の808のレタスです。袋から取り出してそのまま使えてしまうため、残念ながら道具を一切使うことがなく、ただ手でちぎるだけです。(笑)
道具は在ると便利で無いと不便を感じるもの。しかし、当たり前になると便利ではなくなり、失ったときに不便に気づくもの…幸せとちょっと似ている気がしますね。幸せも道具も大事にしましょう。
レシピ
【材料】2人分
- 豚バラ薄切り肉 200g
- 808ファクトリーレタス(フリルレタス)1袋
- 玉ねぎ 1/2個
- 生姜 1片分
- A(しょうゆ みりん 酒 各大さじ2)
- サラダ油 大さじ1/2
- 白炒りごま 小さじ1
- 薄力粉 適量
【作り方】
- 生姜は皮を剥いておろし、ボウルに入れたAに加え混ぜる。
- 豚肉は半分に切って薄力粉をまぶす。
- フライパンにサラダ油を入れて中火に熱し、重ならないように豚肉を入れて両面を焼き、薄切りにした玉ねぎを加え炒め、(1)を加え、全体に絡めて火を止める。
- レタスはちぎって器に広げ、生姜焼きをのせて白ごまをふる。
■レシピ協力:きたじまよりこ(スタイリング・撮影・コラム)