焼肉の日
8月も後半とはいえ、まだまだ日中は暑い日が続きます。暑さによるイライラ、クーラーによる手足の冷え、寝苦しい夜の睡眠不足、それらが蓄積されると疲労感や倦怠感で食欲不振の原因になります。
夏バテから残暑バテ、そして秋バテと不調が続いてしまわないために、早めに解消したいものです。
そんな夏バテを解消するカギは「食」にあると思います。
夏バテを解消する食べ物といえば、まず思いつくのが焼肉だと思います。江戸時代は殺生や肉食が禁止されていて、人々は猪肉を牡丹、鹿肉をもみじ、馬肉をさくらなどという隠語を使って、こっそりお肉を食べていたそうです。
しかし、近江国北部を統治していた彦根藩(現在の滋賀県)は、全国で唯一牛肉の味噌漬けを作ることが許されていました。その味噌漬けは反本丸(へんぽんがん)と称して、滋養をつける薬として将軍家に献上され、幕府や他藩への贈り物として大変喜ばれていたそうです。
明治維新という文明開化の時代を経て、現代は隠語を使わなくても、堂々とお肉が食べられる世の中になりましたが、かつて養生薬として牛肉の味噌漬けが重宝されていたように、私たちはその養生薬を食べて、残暑を乗り越えた方が良いのかもしれません。
今回はそんな養生薬として、コチュジャンやニンニクなどのタレに野菜と肉を漬けこんだプルコギを、レタスに包んでさっぱりと食べていただく提案です。
ダイエット宣言をして、密かに食べているくせに証拠も記憶も隠滅し、「痩せない、痩せない」と呟いているあなたと私。この際、何もかも忘れて、焼いた肉をたっぷりのレタスで包み、大きな口を開けて食べましょう。まわりの冷たい視線を感じたら、レタスという便利な隠語を使って「このレタスおいしい」と呟き、その場の寒々しい空気を乗り越え、夏の終わりを快適に過ごしましょう。
レシピ
【材料】2人分
- 808ファクトリー(フリルレタス) 1袋
- 牛肉(バラ切り落とし) 200g
- 人参 1/2本
- ピーマン 2個
- 玉ねぎ 1/2個
- 炒りごま 大さじ1/2
- A(コチュジャン 大さじ1 しょうゆ 大さじ1 砂糖 大さじ1/2 酒 大さじ1/2 おろしにんにく 1片分 ごま油 大さじ1)
- ごま油 大さじ1
- マヨネーズ・コチュジャン 適宜
【作り方】
- 人参と玉ねぎは千切り、ピーマン細切りにする。牛肉は食べやすい大きさに切る。
- ボウルにAを入れ、(1)を加えてよくもみ込み、そのまましばらく置く。
- フライパンにごま油を入れて熱し、(2)を入れて肉に火が通るまで強火で炒め、仕上げに炒りごまをふる。
- レタスに(3)を包み食べます。お好みでコチュジャンやマヨネーズをつけたり、キムチをのせて食べる。
■レシピ協力:きたじまよりこ(スタイリング・撮影・コラム)