レシピ
【材料】2人分
- 808ファクトリーレタス(ロメインレタス) 4枚
- リガトーニ 160g
- コンビーフ 1缶(80g)
- 玉ねぎ 1/2個
- セロリ 1/2本
- 人参 2/3本
- ホールトマト缶 1缶(400g)
- サラダ油 大さじ1/2
- 塩 小さじ1/2
- ローリエ 1枚
- パルメザンチーズ 適量
- ブラックペッパー 適量
【作り方】
- 玉ねぎ、セロリ、人参は粗みじん切りにする。深鍋にサラダ油を中火に熱して野菜を炒める。
- (1)にコンビーフを加えてほぐしながら炒め、ホールトマトと塩、ローリエを加えて、半量になるまで煮込む。
- リガトーニは表示時間通りに茹でたら(2)に入れる。ソースがからみにくいときはゆで汁を足し、ロメインレタスをちぎって加え、全体をさっくり混ぜる。
- 器に(3)を盛り、パルメザンチーズとブラックペッパーをふる。
コンビーフの日
4月6日は「コンビーフの日」。1875年のこの日に、アメリカでコンビーフの台形の缶詰が特許登録されたことが由来です。この缶は面積が大きい側から肉を詰めることで脱気され、肉の酸化を防ぎ、保存性を高めるものでした。現在は製缶技術の向上により台形でないものも増えています。
このコンビーフの缶は江戸時代に使われていた枕(箱枕)の形に似ていることから枕缶と呼ばれ、それを開けるための付属された専用器具は巻き取り鍵と呼ばれています。この特徴的な缶で国内初のコンビーフを販売したノザキのコンビーフは、製缶ラインの設備老朽化などの理由により、二年前にアルミ箔と樹脂フィルムを張り合わせたアルミック缶という容器になり、枕缶での販売は残念ながら終了しています。
塩漬けされた牛肉という意味のコンビーフは、日本ではほぐしたものが一般的ですが、欧米ではブロック肉が一般的です。本来は長期渡航用や軍需用の保存用に塩漬けされたものでした。そのまま食べたり、ビスケットと一緒に食べられていたそうです。またイギリスではビーフティーと呼ばれる牛肉を水で煮出したスープを飲む習慣があり、医学書にも記載された食事療法で、戦争に負傷した兵士たちにコンビーフを使ったビーフティーが与えられていたといいます。
日本の庶民にコンビーフの存在が広まったのは、関東大震災によるアメリカからの支援物資にコンビーフ缶があったこと、新聞で連載されていた親爺教育(ジグスとマギー)という漫画にたびたびコンビーフが登場したことではないかと思います。そして後に連続ドラマ「傷だらけの天使」のオープニングで、ショーケンこと萩原健一が朝食に牛乳やトマトなどと一緒に枕缶がついたままのコンビーフをかぶりつくといった姿に更に注目されました。この映像により多くの男性たちがこのシーンに憧れたといいます。その影響が未だにあるので、我が家のコンビーフは夫にわからない場所にストックしています。(笑)
さて、今回はコンビーフを使ったパスタを作ろうと思います。先日、コンビーフでビーフティーを作ってみたところ、とてもおいしいスープになることを知りました。これならお肉や野菜を長時間煮込まなくてもおいしいソースができると思い、香味野菜と一緒にソースを作ることにしました。そして太い筒状の表面に筋が入っているリガトーニを使ってコンビーフや旨味をよく絡ませ、ここにロメインレタスをちぎって彩りと食感を添えました。
かつて負傷した兵士たちがコンビーフを食べたように、傷だらけの天使のショーケンが朝食に食べたように、コンビーフを隠す妻の心の狭さに傷心した夫が食べるように…いつの時代も男たちはコンビーフに救いの手を求めているのかもしれない。新生活をはじめる諸君!808のレタスとコンビーフが慣れない新生活の救いになるに違いない。
■レシピ協力:きたじまよりこ(スタイリング・撮影・コラム)