ミュージックの日

3月19日は「ミュージックの日」。「ミュー(3)・ジック(19)」と読む語呂合わせから制定されたそうです。クラブなどで働く演奏家たちの存在をアピールし、生の音楽をもっと楽しんでもらうことが目的です。たいていの飲食店では音楽が流れていて、カフェではボサノヴァ、インド料理ではシタールを使った古典音楽、居酒屋では演歌が流れ、モダンな和食店ではジャズが流れています。音楽によって居心地が良い場所だと感じ、また来たいと思わせる心理が働くそうです。さらに雑音になりがちな厨房の音や店の外の音を消すマスキング効果もあるので、音楽は食空間にとって、大きな影響を与えてくれる存在といえます。

音楽といえば仕事でマリンバ、ギター、サックスで構成されているグループのアコースティックライブに呼んでいただいたことがありました。キッチンがステージという面白い企画で、そのまわりでは植物アーティスト集団のメイクパフォーマンスや、壁やキャンバスを使ったアーティストたちによるライブペイントなどが行われました。私はというとセンターのキッチンで踊るわけでも歌うわけでもなく、ライブ曲をイメージしたドリンクや果物のカービングを作っていました。そこには私なりの隠れたテーマがあり、グレープフルーツを搾って爽やかな香りの嗅覚への演出、ブルーハワイやミントで清涼感あるドリンクの視覚の演出、ライブで盛り上がった後にドリンクとカービングした果物を手に取ってもらい、喉を潤してもらうといった触覚と味覚の演出をし、聴覚以外の刺激を感じてもらえるよう努めました。実際はキッチンでウロウロするただのおばさんにしか見えなかったかもしれないけど。(笑)

このイベントはある主婦の〝子供がいてもコンサートやフェスに行きたい″という思いから生まれたプロジェクトでした。大きなホールじゃなくても、音響が完備されてなくてもいい。むしろキッチンで踊りながら、お皿を洗いながら、走り回る子どもをあやしながら、生の音楽が聴けたらいいと思っていたそうです。そして行けないのならキッチンにミュージシャンを呼んでしまおうと思い、それがいつしか大勢の人の心を動かし、それが現実となり、当日は会場に入りきらないほど人々が集まりました。

WITHコロナの時代となり、ライブやフェスは自粛や中止が相次いでなくなり、あのときの主婦の気持ちに今は誰もが共感できると思います。行けないなら呼べばいいというわけにはまだいかないけれど、音楽を聴けば多少の気分転換はできると思います。音楽にはリラックスやリフレッシュ効果だけでなく、作業効率を上げてくれる効果もあるといいます。「家事を楽しく」、「作業が捗る」などと検索するとたくさんの音楽が出てくるので、音楽を味方にしたい人は聴いてみるといいかもしれません。

さて今回はあの日の香りの思い出のグレープフルーツを使ったサラダを作ろうと思います。家事の作業効率を上げるのは音楽だけじゃなく、808ファクトリーのレタスも同じです。洗わず使えて便利なので鼻歌なんか歌ってしまうかもしれません。近所迷惑にならない程度に歌いましょう。

レシピ

【材料】2人分

    • 808ファクトリーレタス(シルクレタス)  1/2袋
    • グレープフルーツ  1個
    • A(サラダ油 大さじ3 酢 大さじ1 グレープフルーツの汁 大さじ2 塩 小さじ1/3 こしょう 少々)
    • 茹でダコ 50g

【作り方】

    1. グレープフルーツは横半分に切り、実と皮に分ける。(皮は器に使用)
    2. ドレッシング用のグレープフルーツの汁の分だけ残し、それ以外は薄皮を剥いて食べやすい大きさに切る。レタスは手でちぎり、茹でダコは乱切りにする。
    3. ボウルにAを入れて混ぜ、(2)の具材を加えてサッと和え、グレープフルーツの器に盛りつける。

■レシピ協力:きたじまよりこ(スタイリング・撮影・コラム)