肉の日
2月9日は「肉の日」。「に(2)・く(9)」と読む語呂合わせから制定されたそうです。
ちなみに8月29日は「焼肉の日」、11月29日は「いい肉の日」、毎月29日は「肉の日」です。お肉が愛されている証拠かもしれません。
お肉を焼くと茶褐色に変色し、うま味や風味が増しますが、これは食材の中に含まれるアミノ酸と糖が加熱によって結びつきおこるメイラード反応によるものです。これは肉だけでなく魚やパンなどにもおこります。この反応により「焼き色をつける」「きつね色に焼く」「こんがりと焼く」などといった焼き具合が目安となり、レシピの調理工程でよく表現されていています。
みなさんは肉の「焼き色」と人の「顔色」ではどちらの様子をうかがうのが得意でしょうか。私は目視できるのでどちらかといえば焼き色をうかがう方が得意です。顔色はメイラード反応と違って変色や匂いがなく、顔色が変わるという言葉もあるけれど、実際に人の顔が赤や青になるわけではないので、私にとって顔色をうかがうことは難しいです。そしてマスクをすることが日常となった今、これまで以上に表情や仕草を推察する努力が必要なので、機嫌取りをするつもりはないけれど、相手の顔色を知ろうとする姿が見え見えになっているかもしれません。(笑)
ところで我が家にはお笑い番組の録画を顔色ひとつ変えずに観ている夫がいます。何かの拍子にケラケラと笑ったりすれば、楽しい気持ちだと察することができます。夫のように表情が硬いのであれば、表情筋を鍛えて柔らかくすればいいのですが、お肉は鍛えることはできないので、包丁の背やミートハンマーで叩いたり、筋切りをして柔らかくします。牛肉や豚肉などの厚めの切り身は、赤身と脂身の境に数か所の切り目を入れ、鶏肉は筋が全体にわたっているので、切り込みを2~3センチ間隔に入れ、皮をフォークで数か所刺せば縮みも防ぐことができます。またお肉を冷蔵庫から出すタイミングも大事です。肉を冷蔵庫から出してすぐに焼くと、表面だけを急激に加熱することになり、内部の温度が上がらず表面だけが焦げてしまいます。ローストビーフなどの塊肉なら焼く1時間前に、ステーキ肉なら焼く30分前に、薄切り肉なら焼く15分前に、ひき肉は焼く直前に冷蔵庫から取り出すようにしましょう。
さて、今回は肉巻きおにぎりを紹介したいと思います。牛肉の薄切り肉を俵型のおにぎりに巻いて焼き、焼色がついたらを甘辛い味付けにします。それを洗わず使える808のレタスに包んで食べていただこうと思います。お笑い番組でさえ顔色を変えない夫も、この肉巻きおにぎりを出したときはニヤリと笑みを浮かべます。ボリューミーに見えて中身はごはんなので、中年の胃にはちょうどいい。おいしい肉料理を作って少しずつ表情筋を鍛える手助けをしようと思います。もしかしたら「肉」より「顔色」より「世話」を焼くのが得意なのかもしれません。
レシピ
【材料】6個分
- 808ファクトリーレタス(シルクレタス) 1/2袋
- 牛薄切り肉 250g
- ごはん 300g
- A(醤油 大さじ1 砂糖 大さじ1/2 酒 大さじ1/2 みりん 大さじ1/2)
- サラダ油 大さじ1/2
- つぼ漬け 適宜
【作り方】
- ごはんを4等分して俵型に握り、それぞれに牛肉をごはんが出ないように巻く。
- フライパンにサラダ油を入れて強火に熱し、肉の巻き終わりを下にして入れ、全体に焼き色がつくように回しながら焼く。
- (2)に混ぜたAを回し入れ、煮絡める。
- お皿にレタスを広げ、その上に焼いた肉巻きおにぎりをのせ、つぼ漬けを添える。
■レシピ協力:きたじまよりこ(スタイリング・撮影・コラム)