スープの日

12月22日は「スープの日」。温かいスープをより美味しく感じることができる「冬」であり、「いつ(12)・もフーフー(22)とスープをいただく」と読む語呂合わせから制定されたそうです。世界を代表する3つの事物として「世界三大○○」とよく言いますが、世界三大スープにはタイの「トムヤムクン」、フランスの「ブイヤベース」、ロシアの「ボルシチ」、そして中国の「フカヒレスープ」があります。三大スープなのに4つあるという不思議はさておき、高温多湿で蒸し暑いタイでは、レモングラスや唐辛子などが入ったトムヤムクンで体の火照りを取り除きました。そして、極寒なウクライナ地方では、甜菜の一種であるビーツが入ったボルシチで体を温めました。気候風土により極寒の地では体を温め、南国の地では体を冷やし、漁業が盛んな地では魚介類、酪農が盛んな地では乳製品が使われ、身近なスープとして受け継がれてきたのだと思います。

日本の食文化に欠かせない「だし」と「発酵」が使われているスープといえば「味噌汁」ですが、最近は味噌汁離れが進んでいるといいます。「味噌汁は朝の毒消し」ということわざがあるように、朝の一杯は体が温まるだけでなく、水分や野菜などの栄養を手軽に摂取できるので、冷え性の人こそ、朝の一杯を意識して飲んでほしいと思います。私は煮干しでだしを取っているのですが、だしがらとなった煮干しも捨てずに、そのまま汁の実として食べています。そこに火の通りやすい野菜や切らずに使える便利な乾燥わかめや麩、油揚げなどの浮き実を使っています。

浮き実といえばスープやポタージュにクルトンがのっています。彩りや食感にアクセントをつけるために使いますが、これは紀元前のエジプトで固くなったパンをスープと一緒に煮こんで食べていたことや、中世のヨーロッパ―で固くなったパンをスープにつけてふやかして食べていたことの名残だといわれています。

今日は一年のうちで最も夜が長い冬至です。この日を境に昼の時間がだんだん伸びることから「運気が上昇する」ともいわれ、冬至に「ん」が二個つくものを食べると「運」が二倍呼び込めるといわれ、冬至に南瓜を食べるのはこの運盛りをするためです。ほかにも金柑(きんかん)、銀杏(ぎんなん)、南瓜(なんきん)、蓮根(れんこん)、人参(にんじん)などがあります。

今回はそんな「ん」がつく食材の蓮根を使ったすり流しを紹介したいと思います。すり流しは旬野菜とだしで作る日本の伝統料理でもあります。野菜をまるごと使うので栄養もまるごといただくことができます。蓮根の自然なとろみでスープは保温力があるので、フーフーしながら食べていたければと思います。そして浮き実として洗わず使える808ファクトリーのレタスをたっぷりのせました。シャキシャキ感がプラスされるので、さらにおいしくなると思います。蓮根のすり流しと南瓜煮を食べて、運を四倍にしてみてはいかがでしょうか。

レシピ

【材料】2人分

    • レンコン  100g
    • 808ファクトリーレタス(フリルレタス)2枚
    • だし汁 400ml
    • 鶏ひき肉  50g
    • 薄口醤油  小さじ1
    • 塩・こしょう  少々
    • 片栗粉  適量
    • サラダ油 大さじ1/2

【作り方】

    1. レンコンは皮ごとすりおろす。
    2. 厚手の鍋にサラダ油を熱し、挽肉を入れて炒め、軽く塩・こしょうをしてだし汁を加える。
    3. (2)が沸騰してきたら?を加え、アクを取りながら5分ほど煮る。薄口醤油を加える。
    4. すり流しを器に注ぎ、ちぎったレタスを食べるときにたっぷり入れる。

■レシピ協力:きたじまよりこ(スタイリング・撮影・コラム)